火力原子力発電技術協会誌(Vol.76 No.11)に最新の研究成果が掲載されました。
本研究は、微粉炭火力発電所の排ガスと廃棄太陽光パネル由来のシリコンを原料として温和な条件でギ酸を生成するカーボンリサイクル技術に関するものです。横浜国立大学(本倉教授ら)の基本発明をベースに実機プラントへの実装を想定した研究開発を進めました。
火力発電所の排ガスと、廃太陽光パネルから回収したシリコン。 この “本来なら捨てられるはずの2つ” を組み合わせて、ギ酸という有用な化学品を作る——そんな新しいカーボンリサイクル技術を開発しました。
ポイントは 排ガスをそのまま使えること。 CO₂分離装置を使わずに、煙突から出てくるガスをそのまま反応器へ。 さらに、廃パネル由来のSiは還元力が強く、低温・低圧の温和な条件で反応が進むため、設備コストも抑えられます。
触媒はあらかじめ作る必要はなく、 NaF・トリエチルアミン・硫酸といった前駆体を入れるだけで、反応系内で勝手に触媒が生成されることも分かりました。
そして実際に、磯子火力発電所の排ガスを使った試験でもギ酸生成を確認。 廃棄物を活かしながら、発電所の排ガスを資源化できる—— 経済性と環境性を両立した新しいCRプロセスとしての可能性が見えてきました。
横浜国立大学、産業技術総合研究所と共同研究することにより論文として成果をまとめることができました。引き続きこの産学官連携体制で本技術の社会実装に向け尽力したいと思います。

