【火力原子力発電大会2025】火力発電所の排ガスからギ酸を生成するカーボンリサイクル技術の研究発表

火力原子力発電大会のメイン会場 Technology

『微粉炭火力排ガスを利用したギ酸製造プロセスの開発』というテーマで研究成果を発表(発表15分+質問5分)してきました。場所は東京ビッグサイトの会議棟。会場で聴講いただいた方々は約100名。先月の触媒討論会の発表を短縮した内容です。事前に何度も練習しましたが本番ではややゆっくりとなり、規定時間を若干超過してしまいました。

火力発電所の排ガスと、廃太陽光パネルから回収したしたシリコン。
この “本来なら捨てられるはずの2つ” を組み合わせて、ギ酸という有用な化学品を作る——そんな新しいカーボンリサイクル技術を開発しました。

ポイントは 排ガスをそのまま使えること。
CO₂分離装置を使わずに、煙突から出てくるガスをそのまま反応器へ。
さらに、廃パネル由来のSiは還元力が強く、低温・低圧の温和な条件で反応が進むため、設備コストも抑えられます。

触媒はあらかじめ作る必要はなく、
NaF・トリエチルアミン・硫酸といった前駆体を入れるだけで、反応系内で勝手に触媒が生成されることも分かりました。

そして実際に、磯子火力発電所の排ガスを使った試験でもギ酸生成を確認。
廃棄物を活かしながら、発電所の排ガスを資源化できる——
経済性と環境性を両立した新しいCRプロセスとしての可能性が見えてきました。

頂いた質問(東芝殿)はギ酸の分離方法。反応生成物はギ酸水溶液となります。水とギ酸の沸点が近く、共沸するため濃縮は限度がある旨を回答しました。

火力原子力発電大会2025の会場
Comiket等のイベントと比較すると人はまばら
火力原子力発電大会2025の発表会場
会場はこんな感じです

発表会後の懇親会では2018年の火力原子力発電大会で論文賞をいただいた島本火力原子力発電技術協会会長(当時;現在、関西電力株式会社の取締役)とお会いすることができました。論文賞の論文について『審査メンバーの満場一致で論文賞が決定したもので非常に良い内容だった』とのお褒めのコメントをいただきました。嬉しい限りです。


島本会長(当時)との2ショット
(2018年10月25日撮影)

火原協 要旨集原稿

論文はこちら

微粉炭火力排ガスを利用したギ酸製造プロセスの開発