【トレインアーカイブ】100系新幹線|シャークノーズ・ダブルデッカーのシンデレラ・エクスプレス

Train

100系新幹線は、日本国有鉄道(国鉄)が開発・投入した、東海道・山陽新幹線の第2世代となるフルモデルチェンジ車両です。

0系リニア・鉄道館に展示されている0系新幹線
2025年12月14日撮影

1985年(昭和60年)に試作車が登場し、翌1986年から量産車の営業運転が開始されました。 初代の0系が築いた新幹線の基本性能を受け継ぎつつ、居住性やデザインを大きく刷新した、当時の「新幹線ブーム」の立役者です。 主な特徴 シャープな先頭形状(サメ顔)0系の丸みを帯びた形状から一転して、流線型のシャープなノーズ(いわゆる「シャークノーズ」)を採用し、未来的でスピード感あふれる外観となりました。

新幹線初の「2階建て車両」 編成の中間に2階建て車両(ダブルデッカー)を連結したのが最大の画期的なポイントです。2階席からの眺望は抜群で、大きな話題となりました。 特にJR西日本が投入したV編成(通称「グランドひかり」)では、2階建て車両を4両連結し、2階に食堂車、1階に個室などを備えた豪華な編成として人気を博しました。 ゆとりある車内設備と個室普通車の座席間隔(ピッチ)が0系よりも広げられ、3人掛け座席でも回転が可能になるなど改善されました。

グリーン車や2階建て車両には、当時としては画期的な個室(1〜4人用)も用意され、移動の快適性が飛躍的に向上しました。歴史と変遷全盛期(1980〜90年代前半)東海道・山陽新幹線の「ひかり」の主力として大量に投入され、ビジネスや観光の足として活躍しました。また、JR東海の「シンデレラ・エクスプレス」などのテレビCMにも起用され、時代の象徴となりました。

世代交代と東海道からの撤退1992年に後継となる300系「のぞみ」が登場すると、最高速度(220km/h)の面でダイヤグラム上の制約となるようになり、主役の座を譲っていきました。 東海道新幹線からは品川駅が開業した2003年9月に完全撤退し、2階建て車両もこの時姿を消しました。

300系
新丹沢トンネルを通過した300系新幹線
2009年11月23日撮影

山陽新幹線での晩年(「こだま」運用) 東海道撤退後は、JR西日本所属の車両が短編成化(4両・6両編成)され、山陽新幹線の「こだま」を中心にセカンドライフを送りました。


高梁川橋梁を渡る100系こだま
2011年8月10日撮影

その後、塗装の変更などを経て、老朽化および後継車の増備に伴い、2012年3月のダイヤ改正をもって完全引退となりました。


高梁川橋梁を渡る100系こだま リニューアル車
2011年8月10日撮影


吉井川橋梁を渡る100系こだま リニューアル車
2009年5月1日撮影

100系
新神戸駅に入線する100系こだま リニューアル車
2009年6月23日撮影


岡山駅での離合
2009年12月29日撮影

100系と500系
岡山駅で500系こだまとの離合
2009年12月29日撮影

岡山駅での現在、名古屋市にある「リニア・鉄道館」などで100系の先頭車や2階建て食堂車の実物車両が保存されており、その優雅な姿を今に伝えています。

リニア鉄道博物館
リニア・鉄道館に展示されている先頭車と2階建て食堂車
2025年12月14日撮影

<撮影者情報>
難波一夫
IHI/石川島播磨重工業 出身 の重工系技術士(金属部門)
中小企業診断士・労働安全コンサルタント・エネルギー管理士資格を保有
材料から設備を診る! 技術経営コンサルタント