キロシ47形とは
キロシ47形は、九州旅客鉄道(JR九州)が保有・運行している観光列車「或る列車(JRKYUSHU SWEET TRAIN)」用の事業用・客室用気動車です。2015年(平成27年)8月に運行を開始しました。 国鉄・JRの歴史上でも非常に珍しい「キロシ」という固有の形式称号が与えられていることで知られています。
「キロシ」という形式名の由来
国鉄・JRの車両形式において、記号の意味は以下のようになっています。キ:気動車(ディーゼルカー) ロ:グリーン車(またはかつての特別・一等車相当の高級車) シ:食堂車 車内でコース料理やスイーツなどを提供するコンセプトから「ロ」と「シ」が与えられ、これに気動車を表す「キ」を合わせて「キロシ」となりました。国鉄時代を含めても「キロシ」という形式記号は史上初のものです。2両編成の全車両(キロシ47-9176、キロシ47-3505)がこの形式を名乗っています。
誕生の背景とコンセプト
明治時代末期、九州鉄道がアメリカのJ.G.ブリル社に発注したものの、幻に終わった豪華な発注車両(通称「或る列車」)の伝説をベースにしています。 世界的な鉄道模型愛好家であった故・原信太郎が製作した「或る列車」の真鍮製模型(未塗装で黄金色に輝くモデル)をベースにしています。 原信太郎の次男であり原鉄道模型博物館副館長である原健人の監修のもと、JR九州の数多くの観光列車を手がける水戸岡鋭治がデザイン・設計を担当しました。
車両の主な特徴
一般の通勤・近郊型気動車である「キハ47形」からの改造車ですが、原型をとどめないほどの豪華な大改造が行われています。 外観 車体全体が、模型の真鍮表現にインスパイアされた「金色」と「黒色」を基調とし、クラシックで重厚感のある唐草模様があしらわれています。前面は丸窓や増設された前照灯など、レトロな雰囲気を演出する専用のデザインになっています。内装・設備1号車(キロシ47-9176):メープル材などの木目を基調とし、開放的なラウンジ風の座席やバーカウンターが設置されています。 2号車(キロシ47-3505):ウォールナット材を使用し、福岡県の伝統工芸品である「大川組子」を用いた個室・セミコンパートメント席が配置されています。また、洋式トイレや車椅子対応設備なども完備されています。 サービス車内では、厳選された九州の食材を使い、有名シェフが監修したスイーツや軽食のコース料理が提供されます。
運用
主に団体臨時列車やD&S列車(観光列車)として、久大本線や長崎本線、佐世保線、大村線など、JR九州の各路線で運行されています。
Photo Album

満開の桜と水仙に彩られた豊後中川駅をゆく「或る列車」
(2025年3月30日撮影)

鮮やかなピンクの桜のトンネルを抜け、「或る列車」が豊後中川駅へと静かにアプローチ
(2023年4月1日撮影)

秋の夕暮れに染まる由布岳の麓、レトロで豪華な「或る列車」が美しいコントラストを描き出す。
(2018年11月17日撮影)

満開の桜に囲まれた北山田駅のカーブを通過する「或る列車」
(2025年3月30日撮影)

色づくイチョウを背景に「或る列車」が静かな山間を駆け抜ける。
(2024年10月14日撮影)

緑深い森のトンネルから姿を現した「或る列車」
(2025年12月21日撮影)

清流・珠洲川をまたぐ赤いトラス橋を「或る列車」が静かに通過
(2019年6月29日撮影)
大宰府信号所付近を通過する「或る列車」
(2023年10月1日撮影)
千綿〜松原間の海岸線を行くキロシ47形「或る列車」
(2019年1月19日撮影)
大村湾の海岸線を縫うように走る「或る列車」
(2019年3月23日撮影)
大村湾の美しい海岸線を走る「或る列車」
(2019年1月20日撮影)
<撮影者情報>
難波一夫
IHI/石川島播磨重工業 出身 の重工系技術士(金属部門)
中小企業診断士・労働安全コンサルタント・エネルギー管理士資格を保有
材料から設備を診る! 技術経営コンサルタント
